最近、『問題解決のジレンマ』という本を読みまして。
ソクラテスが賢人とは「"自分は何も知らない"ということを知っている人」だということ
を見出した、いわゆる「無知の知」というものを発端にした『無知』に関する本でした。
問題を解決するよりも問題を見つけて、「未知の未知」を「既知の未知」に変えていく
ということがこれからを生きる上で求められる能力だというような話で、なかなか興味
深く読ませて貰いました。
マジックの世界でも色んな"プロブレム"は存在していて、世界中のマジシャンがプロ
アマ問わず、「どうやって」その"問題を解くか"を懸命に考えていたりします。
が、この本で言えば「何を」問題にするのか。「何が」解決すべき問題か。もっと上流
の思考が大事だよという話。ただ、普通ならば、じゃあもっと知識を詰め込んで何が
問題になるのかを徹底的に分析する必要がある、と考えるところなのですがこの本
の面白いのは全く進む方向が逆なところ。
問題を見つけるには、知識は何も持たずに「無知」の状態が理想です、と。
要は、知らないからこそ常識に囚われない発想ができるという理論ですね。
確かにマジックやってると常識を持っている大人は簡単に騙せても、何も固定観念
を持ってない子供には簡単にタネを見破られたりすることがありますから、そういう
ことは確かにありますよね。
まぁでもこの考えもすでによくある考え方です。
"常識外"という概念(『既知の未知』)はすでに『既知の既知』になりつつあります。
なので、この本はさらにそれを進めて、『既知の未知』の壁の向こうにある『未知の
未知』に目を向けるべきだと書いています。
要は、誰も全く知らない部分には色んな問題や色んな解決策が眠っている、と。
確かにそりゃそうだよねという話ですが、実際に見つけるとなるとこれはなかなか
難しいわけで。概念を抽象化したり次元を変えてみたり色々と技術を使って発想を
引き出して『未知の未知』から『既知の未知』(=知識)を得ていくわけです。
じゃあそうなると、どんどん『未知の未知』は減っていくので、いつかは全部『既知の
既知』になるのかというとそうではなくて、『既知の未知』を知った途端にまた新たな
『未知の未知』が生まれるので、永遠に、全てが既知にはならないと書かれており
なかなか奥が深い――。
ちなみに私のようなクリエイターっぽい人間にはこの理論はとてもありがたいです。
何故かと言うと、新しい現象やタネや原理(『既知の未知』)が生まれるたびに、更に
どこかで、誰もまだ気付いていない現象やタネや原理(『未知の未知』)が生まれて
いるということなので。それを探す喜びが常に増えていくというのは嬉しい限りです。
色んな人が毎週・毎日のように新しいアイデアやトリックを考案していますが、先に
気付いていれば!とか、もうここに答えは無い!出し尽くされた!と悲観することは
全く無くて、探せば誰でも絶対に見つかるし永遠に枯渇することが無いということが
解っただけでもこの本を読んだ価値はありました(^^)
「無知」になってもっと探そう(笑)
ソクラテスが賢人とは「"自分は何も知らない"ということを知っている人」だということ
を見出した、いわゆる「無知の知」というものを発端にした『無知』に関する本でした。
問題を解決するよりも問題を見つけて、「未知の未知」を「既知の未知」に変えていく
ということがこれからを生きる上で求められる能力だというような話で、なかなか興味
深く読ませて貰いました。
マジックの世界でも色んな"プロブレム"は存在していて、世界中のマジシャンがプロ
アマ問わず、「どうやって」その"問題を解くか"を懸命に考えていたりします。
が、この本で言えば「何を」問題にするのか。「何が」解決すべき問題か。もっと上流
の思考が大事だよという話。ただ、普通ならば、じゃあもっと知識を詰め込んで何が
問題になるのかを徹底的に分析する必要がある、と考えるところなのですがこの本
の面白いのは全く進む方向が逆なところ。
問題を見つけるには、知識は何も持たずに「無知」の状態が理想です、と。
要は、知らないからこそ常識に囚われない発想ができるという理論ですね。
確かにマジックやってると常識を持っている大人は簡単に騙せても、何も固定観念
を持ってない子供には簡単にタネを見破られたりすることがありますから、そういう
ことは確かにありますよね。
まぁでもこの考えもすでによくある考え方です。
"常識外"という概念(『既知の未知』)はすでに『既知の既知』になりつつあります。
なので、この本はさらにそれを進めて、『既知の未知』の壁の向こうにある『未知の
未知』に目を向けるべきだと書いています。
要は、誰も全く知らない部分には色んな問題や色んな解決策が眠っている、と。
確かにそりゃそうだよねという話ですが、実際に見つけるとなるとこれはなかなか
難しいわけで。概念を抽象化したり次元を変えてみたり色々と技術を使って発想を
引き出して『未知の未知』から『既知の未知』(=知識)を得ていくわけです。
じゃあそうなると、どんどん『未知の未知』は減っていくので、いつかは全部『既知の
既知』になるのかというとそうではなくて、『既知の未知』を知った途端にまた新たな
『未知の未知』が生まれるので、永遠に、全てが既知にはならないと書かれており
なかなか奥が深い――。
ちなみに私のようなクリエイターっぽい人間にはこの理論はとてもありがたいです。
何故かと言うと、新しい現象やタネや原理(『既知の未知』)が生まれるたびに、更に
どこかで、誰もまだ気付いていない現象やタネや原理(『未知の未知』)が生まれて
いるということなので。それを探す喜びが常に増えていくというのは嬉しい限りです。
色んな人が毎週・毎日のように新しいアイデアやトリックを考案していますが、先に
気付いていれば!とか、もうここに答えは無い!出し尽くされた!と悲観することは
全く無くて、探せば誰でも絶対に見つかるし永遠に枯渇することが無いということが
解っただけでもこの本を読んだ価値はありました(^^)
「無知」になってもっと探そう(笑)